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時代の変化と共に、私たちの働き方も大きく変わろうとしています。特に近年目覚ましい進化を遂げる生成AIは、システム開発の現場にも大きな変革をもたらしています。
今回は、システムエンジニアの仕事が生成AIによってどのように変化するのか、そして、これからの時代のシステムエンジニアに求められるスキルについて考えていきましょう。
システムエンジニアは、要件定義から設計、開発、テスト、運用、保守まで、幅広い業務を担います。そのなかでも、生成AIが特に力を発揮するのは、定型的・反復的な作業です。
最も効率化が図れるのは、ドキュメント作成でしょう。システム開発には、要件定義書や仕様書、テストの報告書など、さまざまなドキュメントが使われます。生成AIは、これらのドキュメントに加えて、ミーティングの議事録や進捗報告の履歴などを自動的に生成します。また、既存のドキュメントを要約したり、よりわかりやすい表現に書き換えたりするのも得意です。
要件定義においても、自社で蓄積した過去のプロジェクトデータや顧客情報、システム企画・構成などの資料などから要件のベースを作成することができます。また、一般的な言葉で書かれた要件を整理し、システムの設計に落とし込むためのサポートもまかせられます。
これまでプログラミングは、システム開発の根幹をなす重要な作業とされてきましたが、生成AIは特定の要件に基づき、コードの自動生成やバグの修正、既存コードの改善のスピードを高めます。これによって、システムエンジニアやプログラマーは煩雑な作業から解放され、より創造的な作業に時間を割くことができます。
システム開発のテストフェーズでも、生成AIを効果的に活用できます。生成AIは、テストケースの自動生成や、テストスクリプトの作成を支援します。AIが過去のバグデータや仕様書を分析することで潜在的な欠陥を予測し、より効率的なテストシナリオを提案することも可能です。
生成AIの導入は、システム開発のプロセス全体に多くのメリットをもたらします。AIが定型作業を代行することで、エンジニアは本来の業務である設計や課題解決に集中できます。これによってシステム開発のスピードが向上し、小規模のプロジェクトを同時並行で進めることが可能になります。
システム開発にかかる時間と労力が削減できれば、プロジェクト全体のコストも抑制できます。人件費が大きな割合を占めるIT業界において、非常に大きなメリットといえるでしょう。
システムの品質においても、生成AIを活用できる余地があります。AIは人間が見落としがちなミスを発見したり、より効率的なアルゴリズムを提案したりするのが得意です。これによって、リリース前後のトラブルを未然に防ぐことができます。
生成AIは強力なツールですが、その活用にはいくつかの注意点があります。
生成AIは、学習したデータに基づいてテキストを作成しますが、情報の捉え方が常に正しいとは限りません。AIが提示したコードやドキュメントは、もっともらしい虚偽の記述をしてしまう「ハルシネーション(幻覚)」とに注意が必要で、必ず人間が最終確認を行わなければなりません。
セキュリティリスクも、生成AIの活用における重要な注意ポイントです。安易に機密情報や個人情報を含むデータを入力すると、情報漏洩のリスクが生じます。社内のルールや顧客のセキュリティポリシーを厳守し、慎重に活用することが求められます。
また、生成AIが作成したコンテンツは、引用したデータの著作権や知的財産権に抵触する可能性があります。特に商用利用する際には、著作権に関わる記述を事前に確認することが不可欠です。
入力された指示(プロンプト)の質によって、アウトプットの質が大きく変わるのも注意事項のひとつです。生成AIを最大限に活用するためには、精度の高い指示を出すスキルが求められます。
生成AIが定型作業を代行する一方で、システムエンジニアが担うべき仕事は、より専門性が高い領域や、対人スキルが必要な業務にシフトします。
たとえば顧客の潜在的なニーズを引き出し、具体的なシステムの要件に落とし込むプロセスは、人間にしかできない仕事です、AIはあくまでツールであり、顧客の真の課題を理解して施策に落とし込む力は、システムエンジニアに求められる最も重要な能力といっても過言ではないでしょう。
システムアーキテクチャも、システムエンジニアの腕の見せどころです。生成AIは部分的なコードを生成することはできますが、システム全体の骨格となるアーキテクチャにおいては、多様なニーズや制約条件を考慮し、全体を設計する力が必要です。
さらにもうひとつ、生成AIのディレクションもエンジニアに必須のスキルになりつつあります。AIが得意なことと苦手なことを理解し、適切なプロンプトでAIに指示することで、業務効率化を実現することができます。
技術は常に進化し続けます。システムエンジニアはAIだけでなく、最新の技術トレンドを常にキャッチアップし、自身のスキルをアップデートし続ける必要があります。生成AIは、活用するエンジニアのポテンシャル以上の仕事はできないと考えたほうがいいでしょう。
これからの時代のシステムエンジニアに求められる資質は、技術力だけでなく、人間力やビジネス理解へと広がります。顧客やチームメンバーとの円滑なコミュニケーションは、プロジェクト成功の鍵を握ります。相手の意図を汲み取り、自身の考えを明確に伝える能力が不可欠です。
複雑な問題に直面した際、論理的に思考し、最適な解決策を見つけ出す能力もシステムエンジニアのコアスキルです。AIは解決策の候補を提示できますが、最終的な意思決定と実行はエンジニアの役割です。新しい技術を積極的に学び、変化に対応する柔軟な姿勢も、より必要とされるでしょう。
また、AIが生成するコンテンツには、倫理的な問題が含まれる可能性があります。エンジニアは、技術が社会に与える影響を常に考慮し、適切な判断を下す責任を担います。
生成AIは、システムエンジニアの仕事を奪うものではなく、より高度で創造的な仕事へと変革させる強力なパートナーです。定型的な作業はAIに任せ、人間ならではの強みである「企画・設計力」「提案・交渉力」「課題解決力」を最大限に発揮することが重要です。
ソルクシーズグループは、組織としてAIを最大限活用するのみならず、AIを搭載した新たなソリューション開発も推進しています。ソルクシーズの仕事や採用に興味がある方は、キャリア採用サイトと求人情報をご確認ください。

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