FinTech領域で活躍するシステムエンジニアに求められる5つの専門分野【後編】

キャッシュレスサービスの拡大、地方銀行の再編、資産活用など新たなサービスの増加、デジタル通貨、投資の活発化…さまざまなカテゴリーで成長が見込まれているFinTech市場。金融業界をメインに活躍するシステムエンジニアは、さまざまなキャリアパスを考えられるようになっています。

前編では、AI、IoT技術がFinTech市場でどのように活用されているのかを見てきました。後編では、生体認証、ブロックチェーン、セキュリティについて紹介します。

生体認証

指紋や顔、静脈など人間の体の一部を活用する生体認証システム。指紋も顔も固有のものであり、まったく同じ人はいないため、堅牢なセキュリティを実現できます。

生体認証ならば、スキミングやパスワードや暗証番号の流出リスクはありません。パスワードを忘れた場合、複雑な手続きが必要になりますが、パスワードを覚えておく必要もありません。自分の顔や指紋などを読み込ませるだけなので、手続きの時間も大幅に短縮できます。高いセキュリティレベルが求められる銀行の手続きや、クレジットカード決済などで主に使われています。

生体認証の導入が進んでいる中国では、公共料金の支払いやイベント入場で顔認証が活用されています。大きな金額が動く住宅ローンなどでは、目の網膜を使った網膜認証も使われています。

ブロックチェーン

取引履歴などのデータを、ネットワークに参加している全てのコンピューター間で共有することでセキュリティを高める技術です。鎖のように連結した形で記録するため、ブロックチェーンと呼ばれています。従来のような中央管理型のシステムではないため、権力から独立したユーザー主導のシステムとも言われます。

複数のコンピューターに分散して情報が保存されるため、データの破壊や改ざんが困難であり、不正な取引を防ぐことが可能です。FinTechでは、暗号資産、仮想通貨などで活用されています。

ブロックチェーンはセキュリティの高さに加え、コスト削減と安定運用というメリットがあります。ブロックチェーンが使う「P2Pネットワーク」は、中央で管理するサーバーが不要なため、中央サーバー導入のコストが削減できます。つながっているパソコンが作動していれば、システムを動かすことができるため、サーバーダウンも起こりにくく、安定した運用が可能です。

現在では、各国の政府の中央銀行がブロックチェーン技術を活用し、独自のデジタル通貨である中央銀行デジタル通貨（CBDC、Central Bank Digital Currency）を発行しようとする取り組みも始まりました。ブロックチェーン技術は、今までの通貨の仕組みを大きく変える画期的な技術として、引き続き大きな期待が寄せられています。

セキュリティ

FinTechが浸透し、金融データがインターネット上でやり取りされるケースが増えました。便利になった一方で、インターネットバンキングの不正ログインや不正送金、サイバー攻撃による個人情報の流出などのトラブルが後を絶たないため、セキュリティ強化のニーズが高まっています。

金融サービスは特に高いセキュリティを求められる分野です。AIやブロックチェーン、生体認証といったさまざまな領域の技術が使われており、さらなるセキュリティ技術の向上が急務とされています。

セキュリティの技術に精通したシステムエンジニアは人材不足となっており、ハイスペックのエンジニアは転職市場では引く手あまたです。

FinTechはシステムエンジニアがリードしていく市場

FinTechはこれからも成長を続けていく市場です。しかも、大手金融機関のみならず、異業種から参入する事業者も多く、革新的なサービスが続々と登場している分野でもあります。

この流れは、これからも変わることはないでしょう。新たなサービスを手掛けて、FinTech市場をリードしていきたいという気概があるエンジニアが求められています。

ソルクシーズもまた、銀行、証券会社、クレジット関連企業に対するさまざまなサポートやサービス開発によって、FinTech市場を活性化していきたいと考えています。そのためには、金融業界に精通したスペシャリストや、技術力・人間力が高いシステムエンジニアが起こすイノベーションが必要です。

プロジェクトマネージャーをめざす人、システムエンジニアとして活躍の場を広げたい人、金融業界のシステム開発経験を活かしてキャリアアップしたい人は、ソルクシーズのキャリア採用サイトを見てみてください。チームプレーを大事にする社風で、技術を学べる環境を充実させています。テレワーク・リモートワークをいち早く導入しており、社員の勤続年数が長い会社でもあります。

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