成長し続けるFinTechマーケット注目5分野の最新レポート【前編】

スマホの登場や電子決済の普及、IT技術の進化により、サービスの利便性・多様化が急激に進んでいるFinTech。特に、BNPLを含むキャッシュレス決済、中小企業向けの決済や融資、資産運用、インシュアテック、仮想通貨の進化は目覚ましく、こまめに情報をキャッチアップしておきたいものです。

今回は、FinTechにおける注目の5分野の現状を2回に分けてレポートします。

キャッシュレス決済＆BNPL

2019年の消費増税に合わせ政府も推進したキャッシュレス決済は、QRコード決済が急速に普及したことで、大きく市場を拡大させました。2020年度の国内キャッシュレス決済市場は約98兆円でしたが、2025年度には約153兆円まで拡大すると予想されています。コロナ禍で非接触が推奨されたことも拡大の追い風となりました。

消費者側としては、現金を持ち歩かなくていいため盗難や紛失のリスクが減る、会計の手間が減るというメリットがあります。店舗側は、現金を扱わないことで業務削減につながりますが、キャッシュレス決済による売上の入金時期が事業者によって異なるため、経営状況の把握がしにくいというデメリットもあります。

クレジットカードやQRコード決済に加え、顔認証で支払いができる自動販売機も登場しており、キャッシュレス市場はさらに進化を遂げていくでしょう。

また、今注目が集まっているのがBNPL（Buy Now Pay Later）です。クレジット決済と同様に与信サービスの一つであり、取引先に信用を供与することで支払いを成立させます。クレジットカードと異なり、審査が不要もしくは簡単になるほか、分割手数料は加盟店が負担します。BNPLはスマートフォンと親和性が高く、スマホアプリとしてリリースされることがよくあります。

店舗としては、BNPLの手数料がクレジットカードよりも高いため、負担が大きくなります。しかし、クレジットカードを持てない若年層や、ネット通販にクレジットカード情報を入力するのが不安という新しい顧客層を取り込めるメリットの方が大きいため、導入が進んでいます。国内のBNPL市場は2024年に18兆円を超える見込みという報告もあり、今後の拡大が期待されます。

中小企業向けサービス（融資・決済)

融資の分野では金融機関がAIを活用して、過去の取引履歴をAIで分析し、最適な融資やローンの提案、融資金額の判定、利率や限度額の算出などが行われています。AIが複雑な分析を行ってくれるため、審査や限度額の判定が効率化され、中小企業はスピーディーに融資を受けられるようになりました。同時に金融機関の業務削減も進んでいます。

資金調達の方法のひとつとして、融資型クラウドファンディングのソーシャルレンディングも注目されています。個人投資家と資金を調達したい法人をマッチングさせるサービスであり、法人の審査、投資家の募集、貸付や返済期の分配などを代理で行います。

金融機関の審査と異なり、過去の実績よりも、将来的なビジネスの成長性や返済能力が重点的に評価されるため、信用に足る事業計画があれば、スタートアップ企業やベンチャー企業でも融資を受けやすいのが特徴です。

決済の分野では、紙ベースでの運用が多かった経費・経理の分野でFinTech技術が活用されています。紙ベースでの運用は従業員、経理ともに大きな負担でしたが、書類業務の一部をインターネット上で管理・進行できるようになったおかげで、計算ミスや誤入力が減少。業務全体の効率化につながっています。

また、部門やプロジェクト単位で経費精算用のプリペイドカードを発行し、後続の経理業務まで一気通貫でサポートするタイプのサービスも登場しました。電子帳簿保存法の施行も追い風となり、決済分野のFinTechは加速していく見込みです。

会計ソフトもクラウド運用されることが増え、どこからでもアクセスができるようになり、経理部門の働き方改革を後押ししています。

FinTechを推進するシステムエンジニアを積極採用

金融業界に強いソルクシーズは、キャッシュレス分野に注力しています。キャッシュレス決済を専門とするグループ会社のアリアドネ・インターナショナル・コンサルティングと連携し、システム開発をはじめトータルなコンサルティングサービスを提供しています。

FinTechにはAI、IoT、モバイル、クラウドといった最新領域の知識・技術も欠かせません。金融DXというさらに大きな視点からの発想も求められるため、ソルクシーズは成長意欲があるシステムエンジニアを募集しています。求める人物像や経験、スキルなどはキャリア採用サイトに掲載しています。転職者の生の声も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。