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AWSやAzureを扱う機会は増えたものの、「従来のサーバー構築と何が違うのか」「次にどの技術を学ぶべきか」と迷うインフラエンジニアも多いのではないでしょうか。
クラウドの利点を引き出すには、コンテナやKubernetes、IaCを活用するクラウドネイティブ化が求められます。企業のクラウドネイティブ化が進む中で、インフラエンジニアの役割も変わりつつある状況です。
本記事では、クラウドネイティブ時代のインフラエンジニアの役割、必要なスキル、広がるキャリアパスを解説します。
クラウドネイティブとは、単なるクラウド移行ではなく、クラウドの特性を活かせるよう設計や運用方法まで見直す考え方です。
クラウド移行には複数の方法があります。
代表的な手法の一つが、既存システムの構造を大きく変えずにクラウドへ移す「リフト&シフト」です。リフト&シフトでは、稼働環境はクラウドに変わりますが、システム構造は基本的に維持されます。
一方、クラウドネイティブ化では、クラウドの拡張性や自動化、マネージドサービスを活かせるよう、必要に応じてシステムの設計や運用方法まで見直します。
リフト&シフトだけでは、クラウドの自動化や拡張性を十分に活用できない場合があります。リフト&シフトしたシステムについても、必要に応じてクラウド環境に適したアーキテクチャへ段階的に変えていくことが重要です。
コンテナとKubernetesは、クラウドネイティブ化を支える代表的な技術です。
コンテナは、アプリケーションの実行に必要なプログラムやライブラリをひとつにまとめる技術です。Kubernetesは、多数のコンテナの配置、拡張、復旧を自動化する基盤(オーケストレーションツール)です。
IaCによるインフラのコード化や、CI/CD 、監視・可観測性の仕組みと組み合わせることで、変更や拡張に強い基盤を構築しやすくなります。定型的な運用が自動化される一方で、インフラエンジニアには技術を扱う力に加え、「何のためにその基盤をつくるのか」を踏まえて設計・改善する視点が求められます。
クラウドネイティブ移行が勢いを増す背景には、市場拡大、開発スピードへの要求、運用の複雑化、三つの要因が挙げられます。
IDCは、国内パブリッククラウドサービス市場について、2024年の4兆1,423億円から2029年には8兆8,164億円へ拡大すると予測しています。パブリッククラウド市場の成長を牽引する主な要因は、次の通りです。
・レガシーシステムのクラウドマイグレーション、クラウドネイティブ化
・生成AIの活用
・企業のデジタルビジネス投資の活発化
参照:IDCJapan「国内パブリッククラウドサービス市場予測を発表」
現代のビジネス環境では、ユーザーの要望を取り入れ、新機能を素早く市場にリリースするスピードが求められます。アジャイル開発やDevOps、CI/CD との連携が進むなか、インフラ準備の完了を待ってから開発を始めるのでは、ビジネス機会の損失にもつながりかねません。
クラウドネイティブの本質は、単なるサーバーの置き換えではなく、変化への対応力と市場投入スピードを高めることにあります。
年々複雑化するシステムを、少人数で運用する必要性が生じていることも、クラウドネイティブ化が推進される要因の一つです。
環境が複雑になるほど、限られた人数で開発・運用するために自動化と標準化、可観測性の必要性が増していきます。ハイブリッドクラウドやマルチクラウドの構成が広がり、コンテナ数やサービス数も増加している状況です。
クラウドネイティブ化が進むと、インフラエンジニアの仕事は、手作業中心の構築・運用から、コードによる基盤設計や継続的な改善へと、仕事の比重が移りつつあります。
手作業による個別設定から、IaCを用いてインフラ構成をコードで管理する形へ移ります。標準化・自動化によって、再現可能な基盤を設計する役割が重要になります。
死活監視だけでなく、ログやメトリクス、トレースまで含めた観測が加わります。障害発生後の対応だけでなく、性能や可用性、キャパシティを継続的に改善する役割へと広がります。
インフラエンジニアには、開発チームが使いやすい基盤を提供する役割が加わります。今後はCI/CD やDevSecOpsを通じて、顧客や業務要件を踏まえた設計まで踏み込む場面が増えていく見込みです。
そうは言っても、物理サーバーを扱う仕事がなくなるわけではありません。「従来培った知識を土台にしながら、役割の範囲が広がる」と捉えると理解しやすいでしょう。
ここまでの変化を表にまとめます。
【クラウドネイティブ時代のインフラエンジニアの役割の変化】
| 項目 | 従来 | クラウドネイティブ時代 |
|---|---|---|
| 構築 | サーバーを個別に構築する | コードで再現可能な基盤を設計する |
| 運用 | 障害発生後に対応する | 可観測性を高め、異常の早期検知と継続改善を行う |
| 連携 | インフラ部門中心 | 開発・運用・セキュリティが協働する |
必要なスキルは幅広く高度に見えますが、すべての技術を一度に習得する必要はありません。Kubernetesだけを先に学ぶのではなく、インフラの基礎、GitやIaCによるコード化、コンテナ、運用改善の順に知識を積み上げると理解しやすくなります。
インフラ基礎とクラウドアーキテクチャは、クラウド上で適切なアーキテクチャを設計するための土台になります。
・Linux/ネットワークの基礎知識(OSや通信の基本原理)
・AWSやAzureなどの主要クラウドサービス(主要コンポーネントの理解)
・セキュリティ・可用性・災害対策(安全かつ止まらない設計)
サーバーやネットワークの基本原理を理解しているからこそ、クラウド環境でも最適な構成を選択できるのです。
次の段階では、手作業をコードに置き換えるための知識を習得します。
・Gitによるバージョン管理とCI/CD (開発とリリースの自動化)
・Terraform等を用いたIaC(インフラ構築のコード化)
・Docker/Kubernetesによるコンテナ運用(現代的なアプリケーション基盤)
いきなりKubernetesを学ぶのではなく、Gitでのコード管理やIaC、CI/CD の基礎から始めるのが効果的です。
技術だけでなく、運用やビジネスの視点も欠かせません。
・可観測性(Observability)とインシデント対応(システムの健全性の把握)
・クラウドセキュリティ(DevSecOps)(安全性の継続的な確保)
・コスト最適化(FinOps)(クラウド利用の効率化)
インフラエンジニアの枠を超えて、システム全体の価値を高める視点を持つことが重要です。顧客の要望を正確に捉え、最適なインフラ基盤を提供することで、エンジニアとしての価値を高められます。
インフラ領域で実務経験をもつエンジニアには、SRE、クラウドアーキテクト、プラットフォームエンジニアなど、次世代の基盤を支える専門職への道が開かれています。
SRE(SiteReliabilityEngineering)は、ソフトウェアエンジニアリングの手法をシステム運用に適用し、開発スピードと信頼性の両立を図る役割・方法論です。Googleが提唱した開発(Dev)と運用(Ops)の橋渡しをする概念で、可用性や遅延、性能、キャパシティを継続的に改善する考え方と定義されています。
【SREの主な業務】
・SLI/SLOを用いた信頼性管理
・監視・障害対応と再発防止
・運用自動化・ツール開発
運用作業の自動化やツール開発にも携わるため、インフラの知識に加えてプログラミング力を生かせます。
クラウドアーキテクトは、クラウド環境の構成を策定し、実装・管理まで見通して全体設計を担う職種です。
【クラウドアーキテクトの主な業務】
・顧客要件と業務要件の整理
・ハイブリッドクラウドやマルチクラウドの連携設計
・セキュリティ、可用性、コストのバランス設計
・最適な技術選定と移行計画の策定
構築経験を積んだあとに、上流の設計へ進むキャリアとして位置づけられます。
プラットフォームエンジニアは、開発者が使いやすい共通基盤をつくる職種です。DevOpsを支える開発基盤を提供し、開発チームの生産性を高めます。
【プラットフォームエンジニアの主な業務】
・Kubernetesなどの実行基盤
・CI・CDや開発環境のセルフサービス化
・セキュリティ・ガバナンスを組み込んだ標準基盤
なお、インフラエンジニアには技術のスペシャリストを目指す道のほかにも、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーといったマネジメントへ進む道もあります。
インフラ経験を生かしてクラウド基盤領域へ進みたい方は、ソルクシーズにも注目してみてください。
ソルクシーズはSI事業を基盤としながら、自社・グループの製品やサービスも展開している独立系SIerです。クラウドに関する主な特徴を紹介しましょう。
ソルクシーズでは、金融系を中心とする基幹システムの更改・保守をはじめ、オンプレミス、クラウド、ネットワークまで幅広いインフラ案件を手掛けています。既存環境の知識を生かしながら、クラウド設計・構築へ経験を広げられることが特徴です。顧客へのヒアリングや提案、要件定義から関われるため、構築技術だけでなく、業務要件を踏まえて基盤を設計する力も磨けます。
直近の求人でもAWS、Azure、Terraform、Ansible、Datadog、CloudWatch、AzureMonitorなどが挙げられており、従来のサーバー・ネットワーク経験をクラウド基盤設計や自動化技術へつなげやすい環境です。クラウド経験がない場合でも、これまでのインフラ経験を土台にクラウドプロジェクトへ挑戦できると求人情報に明記されています。
インフラだけを切り離すのではなく、アプリケーション技術者と協業し、顧客ニーズに応える働き方は、開発と運用が連携するクラウドネイティブ時代にも生かせる経験です。
チームでの案件参画を基本に、研修・資格取得の支援体制が整えられ、本人の希望とスキルを踏まえたアサインが行われています。スペシャリスト・マネジメント、それぞれのキャリアコースが用意されていることも魅力です。
オンプレミスからクラウドまで幅広いインフラ案件に関わり、AWS・AzureやIaC、監視・運用自動化の経験を積みながら、次世代のクラウド基盤を担うキャリアをめざせる環境です。
インフラ経験を生かしてキャリアアップを目指したい方は、ソルクシーズの採用情報をチェックしてみてください。

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